元教員が考える教育現場でのAI利用!!chatGPTの使い方
chatGPT(チャットジーピーティー)のような自動で文章を生成してくれるAIやStable Diffusion(ステイブル・ディフュージョン)のよなや画像を生成してくれるAIが有名ですが、そんなAIによって今後失われる仕事があるとされています。AIが教育に与える影響はどのような物がるのでしょうか?教員をされている方は、AIが普及した際にどのような対応をしたらよいのでしょうか?この記事では、特別支援学校を14年勤務した元教員が、現在実際にAIを利用して感じることからわかる教育への影響や、効果的な使い方をAIについて知らない方でも分かりやすい言葉で解説します。
AIってどこがすごいの?
chatGPTなどの生成AIを一度でも利用したことがある人は14%だと言われています。ここでは、AIでも一番有名なchatGPTについて解説をします。
chatGPTって何?
chatGPTとはopenAI(オープンエーアイ)が開発をした誰でも使用することができるAIです。chatGPTはLINEと比較すると非常に分かりやすいです。
LINEは自分と相手とで文章のやり取りを行いますが、chatGPTでは、AIと文章のやり取りを行います。こちらからの質問に対してAIが自動で文章を返してくれるため、自動生成AIと言われています。
チャットをする相手 | 特徴 | |
LINE | 友達 | 友達が返信してくれる |
chatGPT | AI | 質問に自動で文章を生成して返信してくれる |
このchatGPTは、こんな特徴を持っています。
- アメリカの司法試験に上位で合格可能な能力を持っている
- AIのため24時間動作してくれる(制限がある場合もあります)
- 0から1を作ることができる
- 画像も生成できる
- 資料を渡すことで、その分野に詳しくなって回答してくれる
- 外部のツールと連携できる
- 自分専用のAIを作ることができる
chatGPTは非常に優秀で、アメリカの司法試験に上位で合格可能な能力を持っています。また、AIのため24時間休まず働き、自分では分からないこと提案もしてくれます。つまり、超優秀です。
私は実際にchatGPTを使用することで、8時間以上かかっていた作業が2~3時間に短縮させることができました。
その強力な機能を持っているため、今ある仕事がAIにとってかわられるのでないかという意見が非常に多いく、実際に物流の倉庫管理、電話対応、ライティング、イラスト作成などAIが行っている部分も多いです。また、なくなる仕事だけでなく、企業にAIを取り入れるコンサルなどの今までになかった仕事や、AIでイラストを生成し、それを販売するなど誰でも使えるからこそ、それを活用した副業も増えています。
また、AIの進化するスピードは非常に早く、音声入力や出力、2024年には小学生の判断力を持った人工知能(AGI)が発表されるとも言われています。
AIがもたらす影響
AIは止まらない
AIが教育にもたらす影響を考える時に参考になるのがパソコンとスマホです。
私が教員になった時に、パソコンは一人一台使用することができ、プリントの作成や通信などを行ってきました。
また、スマホの通信が早くなったことで「ググる」という行為が教育でも当たり前になり、他の学校の教育実践や学習指導要領などをタブレットで見たり、授業にiPadを利用したりする先生も多く現れました。
つまり、このパソコンとスマホというテクノロジーは、今までの教育に何らかの変化を与えたことになります。
このパソコンやスマホと同じようにAIも必ず教育に変化をもたらすと共にその影響は、パソコンとスマホとは比べ物にならないと私は考えています。理由は
1、新しい表現方法
chatGPTのようなAIはパソコンやスマホと明らかに違うところがあります。それは、自分で新しい物を生成ができるということです。スマホやパソコンは、こちらの操作によって決められた回答を表示させることが可能ですが、chatGPTは、設定をされていない所から新たな表現を生むことができます。
2、どの分野においても専門性が高い
chatGPTはどの分野でも詳しい内容を返してくれます。これは、今まで知らないことをググった後に必要な情報を取り出すという手順を無くしています。そのため、chatGPTを知識を教える先生として使用することも可能です。
教育現場では、3つの柱として「知識・技能」「思考力判断力表現力」「学びに向かう人間性」がありますが、知識に関してはchatGPTが教えることも可能であり、問いを生み出すことや作品を評価することも可能です。今まで深い学びでは、児童生徒同士で対話をすることで新しい気付きを見つけることができたかもしれませんが、児童同士だけでなくそこにAIとの対話も入ってくるかもしれません。
AIが教育にもたらす具体的な影響
では、AIが教育にもたらす具体的な影響はどのような物があるのでしょうか?教育現場でAIを活用する場面は大きく2つあると考えています。
- 子どもに向けて
- 業務改善
子どもに向けてAIを使用する具体例
AIを授業で活用できる場面は非常に多いです。まだまだ実践が少ない領域なので、ぜひ挑戦をして【AI✕教育】の第一人者となってもらいたいです。ここでは、実際にchatgptに教育現場でどのような活用ができるかを質問して回答された物を紹介します。その他にも、私だったらこう使いたい。という方法については、公式LINEで紹介しています。
chatGPTの回答
- 言語学習:
- 生徒たちが異なる言語で質問をして、ChatGPTに回答させることで、言語能力を向上させる。
- 異なる言語の文章をChatGPTに翻訳させ、比較分析を行う。
- 数学の問題解決:
- 数学の問題をChatGPTに解かせ、そのプロセスを生徒たちに解説させる。
- 生徒が自分で考えた数学問題をChatGPTに解かせ、答えと解法を比較する。
- 歴史や文化の討論:
- 特定の歴史的イベントや文化に関する質問をChatGPTにして、その回答を基にクラス内討論を行う。
- ChatGPTに歴史的人物の視点から話を作成させ、その視点の正確性や偏りを分析する。
- 科学の概念理解:
- 複雑な科学的概念や理論についてChatGPTに説明させ、生徒たちが理解を深める。
- 実験報告書や科学プロジェクトの概要をChatGPTに作成させ、その内容を評価や改善のための基礎とする。
- 創造的なライティング:
- 物語や詩の初めの部分をChatGPTに書かせ、生徒たちに続きを書かせる。
- 異なるジャンルやスタイルで物語をChatGPTに作成させ、その特徴を生徒たちが分析する。
- 倫理的・哲学的討論:
- 倫理的なジレンマに関するシナリオをChatGPTに提示し、その回答を討論の出発点とする。
- 哲学的な問いに対するChatGPTの見解を生徒たちと比較し、異なる視点を探る。
- 情報リテラシーの強化:
- ChatGPTが提供する情報の正確性や信頼性を検証する活動を行う。
- 情報源としての人工知能の利点と限界について学ぶ。
ちょっと難しそう!!と思った方は、こちらの簡単に活用できる事例を確認してみてください。
業務改善
AIを子供ではなく業務改善に使用することも可能です。
教員業務は大きくこの4つに分けることができます。
- 子供・保護者・地域の方・同僚など人と直接かかわる業務(授業や保護者対応など)
- 授業で使用する教材準備
- 授業などを組み立てるクリエイティブな業務
- 文章などの作成業務
この中でchatGPTを利用して業務改善が可能な物は「クリエイティブな業務」「文章作成業務」です。
chatGPTでは文章を生成や0~1を作ることが得意とされているので、これらの業務と非常に相性がいいです。教員経験の少ない教員も、ベテラン教員も、管理職も、chatGPTをうまく活用することができれば私のように8時間かかる仕事でも3分の1以下に抑えることが可能です。誰でも利用可能なchatGPTで誤字脱字のチェックなど改善できる業務は非常に多いですが、実際に使って見ると「思ったような回答が出力されない」という方も多いのではないでしょうか?
欲しい回答が必要な場合には、chatGPTに入力する文章(プロンプト)を工夫したり、前提条件を設定するなどの工夫が必要になります。
そこで、アシスティでは、先生の業務に特化したchatGPTを作成しました。この機能を使用することで、業務改善だけでなく、質の高いアウトプットを簡単に引き出すことができます。
教員用業務改善AIの見本
指導案の自動作成
AI時代の教員に必要な力
今まで説明したようにAIは非常に強力はツールです。ソフトバンクで有名な孫正義さんが「AIを利用していない人は人生を悔い改めた方がよい」と言われるくらい今後AIはスマホやパソコンにもまして児童生徒の将来には必要なツールとなることでしょう。パソコンやスマホが出てきたときのように、使いこなすことができる先生になるのかどうかが非常に重要な力となってきます。AIがいろいろな提案をしてくれる未来は既に訪れています。その意見にあなたの経験や知識から独自の意見を乗せてアップグレードをすることができるかも非常に重要なため、専門性を日々磨いていきましょう。また、AIが難しい部分はリアルでの関りの部分です。AIにはできない教材を作成したり、人間同士のやり取りや、資質能力の育成をAIを取り入れながら行うファシリテーター力が必要になってくるでしょう。
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