【素材】学校でダンボールを使った授業の教育効果
絵本「ダンボール」について、学校で授業を行う際にどういった教育効果があるのか、またどのような視点で目標を設定したり、指導したりしたらいいのかをまとめました。
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*いろいろな視点で記述をしているため重複している部分もあります。
- 運動スキルの向上:ダンボールを使って物を作る時には、子供たちは細かい運動スキル(ハサミで切る、テープで貼るなど)と大きな運動スキル(ダンボールを移動させる、組み立てるなど)を必要とします。
- 創造性と想像力の発達:ダンボールは独自の形状、サイズ、デザインを作成しやすい素材です。これにより、新しいアイデアを思いつくための視点を持つことができ、それを実際に作成する方法を学習することができます。
- 問題解決スキル:ダンボールで活動することは、児童が具体的な問題解決スキルを習得するのに役立ちます。例えば、ダンボールをどのように組み立てれば所望の形状になるか、どのように接着すれば強度を保てるかなどを実際に活動を通して、試行錯誤を繰り返して解決することができます。
- 社会的スキル:グループでの活動では、児童はチームワークやコミュニケーションスキルを習得することができます。友だちと共有する、順番を待つ、助けを求めるなどのスキルは日常生活に応用することができます。
- 感覚刺激:ダンボールの素材は触覚刺激となり、また、それを操作することで視覚や運動感覚も働きます。これは特に感覚統合に問題を持つ児童にとって重要な利点となります。
*ダンボールを使う際は、ハサミや接着剤などの道具を安全に使えるかどうか、児童のスキルと能力を考慮することが重要です。その上で、児童が自分自身でアイデアを思いつき、それを具現化する手助けをすることが重要です。
知識及び技能
知識の観点:
- 科学的理解:ダンボールを使用すると、子供たちは物理学の基本原理(力、重力、構造と安定性など)についての活動を通して理解を深めることができます。また、科学的な思考プロセスや問題解決のスキルを自然に学ぶことができます。
- 幾何学と空間認識:ダンボールで形を作ることは、幾何学的概念(形、サイズ、空間)について理解するのに役立ちます。
- 環境教育:ダンボールはリサイクル可能な素材であるため、環境に対する認識とリサイクルの重要性についての理解を深める機会になります。
技能の観点:
- 運動技能:ダンボールを切ったり組み立てたりすることで、児童は精密な手の動きを必要とする微細運動技能と、全体の体を使う大規模運動技能の両方を鍛えることができます。
- 問題解決技能:ダンボールを使って何かを作り出す過程では、児童は具体的な問題解決技能を磨くことができます。これには、計画を立てる、使用する材料を管理する、挑戦に直面したときに適応するなどのスキルが含まれます。
- 創造性と想像力:ダンボールを使用することで、児童は自分のアイデアを具体化し、独自の解決策を見つける能力を育てることができます。これにより、創造的思考と想像力が鍛えられます。
- 社会的技能:グループ活動の場合、児童はチームで働くためのスキル(共同作業、コミュニケーション、他人への配慮など)を磨くことができます。
思考力・判断力・表現力
思考力の育成:
- 問題解決と批判的思考:ダンボールを使った活動では、児童たちは問題を解決するための方法を考えたり、自分のアイデアを試すための原型を作ったりします。これにより、批判的思考と問題解決のスキルが養われます。
- 創造的思考:ダンボールは、その形状や大きさを自由に変えられる素材であるため、生徒たちは新しいアイデアを思いつきやすく、それを形にする能力(創造的思考力)が育まれます。
判断力の育成:
- 素材や道具の管理:ダンボールを使った活動では、どの部分をどのように使用するか、どのように組み立てるかなどを決める必要があります。これは、児童が素材や道具を効果的に管理するための判断力を育むのに役立ちます。
- リスク評価:ダンボールを用いた活動では、試行錯誤が必要となります。その過程で児童は、自分のアイデアがうまくいくかどうかを予測し、そのリスクを評価する判断力が鍛えられます。例えば、段ボールの積み上げで、いくつかのパターンを提示し予想させ、実際にどのような結果になるかを児童に行わせるなどの活動を考えることができます。
表現力の育成:
- 物理的表現:ダンボールを使って自分の考えを形にすることは、児童が自分の思考を物理的に表現する能力を鍛えるのに役立ちます。
- コミュニケーション:グループでのダンボールを用いた活動では、児童は自分のアイデアや計画を友だちに伝える必要があります。これにより、言葉を使った表現力が育てられます。
- プレゼンテーションスキル:完成したダンボールの作品を友だちや教師に発表することは、プレゼンテーションスキルを鍛える絶好の機会となります。
学びに向かう学びに向かう力、人間性
主体的に学習に取り組む態度の育成:
- 自己課題設定:ダンボールを使った活動では、児童は自分で課題を設定し、自分のペースで進めることができます。これにより、自主性と自律性が育つと同時に、自分自身の学習過程に責任を持つ態度も育てられます。
- 探求心の育成:ダンボールは非常に多機能で、それをどのように使うかは児童の想像力次第です。これは児童の好奇心や探求心を引き立て、主体的な学習を促します。
- 反省・振り返り:ダンボールで作品を作る過程では、挑戦と失敗が必ず起こります。これを通して児童は自分の行動を反省し、改善のための新たな手法を考えるスキルが鍛えられます。
人間性の育成、特に感性や思いやり:
- 感性の育成:ダンボールを使って何かを作るプロセスは、児童の感性を刺激します。色、形、構造などを考えながら作業することで、美的感覚や芸術的な視点が育まれます。
- 協調性と思いやり:ダンボールを使ったグループ活動では、児童は一緒に作業することで協調性を学びます。また、他の人の意見を尊重し、共同作業の中で思いやりのある態度を持つことを学びます。
- 環境への配慮:ダンボールはリサイクル可能な材料であり、それを使用することで児童に環境に対する配慮に目を向けさせることができます。これは、より広い視野での思いやり、すなわち地球や環境への思いやりにつながります。
ダンボールを授業で活用するメリットは多数あります:
- 手頃なコスト:ダンボールはリサイクル可能で、比較的安価な材料であるため、教育資源としてのコストを抑えることができます。
- 多機能性:ダンボールは非常に多機能であり、建築、科学、芸術など、様々な学習分野で利用できます。
- 実践的な学習:ダンボールを使用することで、児童は抽象的な概念を具体的に理解することが可能になります。例えば、幾何学的な形状をダンボールで作成することで、形状の性質や関係を実感できます。
- 創造性の促進:ダンボールは児童の創造性を刺激します。児童は自分のアイデアを形にし、実際に物を作ることで自分自身の能力を認識することができます。
授業でダンボールを活用する際の指導のポイントは以下の通りです
- 安全に配慮する:ダンボールを切ったり形にする際には、安全性を確保することが重要です。特にハサミやカッターナイフのような鋭利な道具を使う場合は注意が必要です。
- 課題を適切に調整する:活動や課題は、児童の能力や関心に合わせて適切に調整する必要があります。複雑すぎると挫折感を覚え、簡単すぎると退屈してしまうかもしれません。児童の発達段階に合わせて目標を設定し、段ボールの大きさや、厚さ、使用する道具を選択することが大切です。
- 指導とサポートを提供する:ダンボールを使って物を作る際には、どのように始めるか、どのように問題を解決するかなど、指導とサポートを提供することが重要です。しかし、その一方で、児童が自分自身で解決策を見つけることができるような自由度も与えることが大切です。児童に考えさせる場面と教師が指導したり見通しを持たせる場面など活動を工夫しましょう。
- 達成感を喚起する:完成したプロジェクトを展示したり、他の児童や教師と共有したりすることで、児童の達成感や自尊心を引き出すことができます。鑑賞を取り入れることで、教師からだけでなく、友だちや保護者からの評価をもらうことで複数の視点で評価されることも重要です。評価を行う際には、色や形、どのように作成したのか、正しく道具を使うことができていたかなど、複数の視点から評価を多なうようにしましょう。
- 繰り返しと改善を奨励する:ダンボールでの活動は、失敗してもやり直すことができます。そのため、改善を続けるという重要な経験を積むことができます。作品が思うように形にならなかったとき、その失敗から何を学び、どう改善すればよいかを児童に尋ねることは非常に有益です。
- フィードバックを与える:児童の作品に対するフィードバックは、彼らが学びを深め、スキルを磨く上で重要です。フィードバックは具体的で建設的に行い、どの部分が良かったか、どの部分が改善可能かを指摘すると良いでしょう。
- 探求心を育てる:ダンボールを用いた活動では、新しいアイデアや方法を試す機会を提供します。これは児童の探求心を育て、自発的な学習を促す可能性があります。活動の前にどんなものを作りたいか引き出したり、完成時を見せてイメージを想起させたり、構成図などを使用するのも効果的です。
- 問題解決能力:ダンボールで何かを作る過程は、よく考えて解決策を見つけ出さなければならない課題がたくさんあります。そのため、これは問題解決能力を育むのに理想的な機会となります。
- 創造力と想像力:ダンボールはその形や大きさを自由に変えられる素材であり、児童の創造力と想像力を引き出すのに役立ちます。
- 運動能力:ダンボールを切ったり、組み立てたり、塗ったりする過程で、児童は大きな動きを必要とする大規模運動技能と、細かな動きを必要とする微細運動技能の両方を磨くことができます。
- 社会性:グループでのダンボール活動では、児童は共同作業、コミュニケーション、他人への配慮といったスキルを磨くことができます。
- 学習の自主性:ダンボールを用いた活動は、児童が自己課題設定を行い、自分で学習内容を決定するという自主性を育むのに役立ちます。
- 耐久性と忍耐力:ダンボールを用いた活動は一度で完璧に仕上げるのが難しいため、児童は失敗から学び、試行錯誤を繰り返すことによって耐久性と忍耐力を育むことができます。
- 環境意識:ダンボールはリサイクル可能な素材であり、それを使用することで児童はリサイクルの重要性や環境への配慮という考え方を理解する機会になります。
- 創造性と想像力:ダンボールは形状、大きさ、色などを自由に変えることができるので、児童はダンボールを単なる箱としてだけでなく、可能性のある素材として見ることが求められます。ダンボールが何に変わることができるのか、どのように使うことができるのかを想像することが重要です。
- 問題解決と批判的思考:ダンボールを用いて何かを作り上げるためには、具体的な問題を解決する必要があります。例えば、ダンボールの特定の部分をどのようにカットすれば求める形状になるのか、あるいはどのように組み立てれば安定した構造になるのかなど、児童は問題解決のプロセスを経験します。
- 観察力と詳細への注意:ダンボールで物を作る際、その特性に注意を払い、どのように折ったりカットしたりしたら最善の結果が得られるかを理解することが必要です。これは児童の観察力と詳細への注意力を鍛えます。
- 耐久性と挫折に対する対処:ダンボールで何かを作る過程は、試行錯誤が伴います。物事が思うように進まない時でも、継続して挑戦し、解決策を見つけるための持続力や耐久性が求められます。
- 共感と協調性:ダンボールを使ったグループ活動では、他のメンバーの意見を理解し、尊重することが求められます。また、全員が目標を達成するためには協力が必要であり、他の人々と共に作業を進める能力、つまり協調性が鍛えられます。
- 創造性:ダンボールはその形状、大きさ、構造を変えることが可能な素材で、これが児童の創造性を刺激します。彼らは想像力を駆使してダンボールを様々な形に変形させ、新しいものを生み出すことができます。
- 問題解決能力:ダンボールを使って何かを作る過程は、多くの問題を解決する機会があります。例えば、どのように切ったり組み立てたりすれば、目指す形状や構造を実現できるのか、という課題です。これにより、児童は問題解決スキルを磨くことができます。
- 協調性:グループでの活動を行う場合、協力して目標を達成するためには、互いの意見を尊重し合い、共同作業を進めるスキルが必要となります。ダンボールプロジェクトは、そのような協調性を育む良い機会となります。
- 忍耐力とリジリエンス(逆境に強い心):ダンボールで何かを作る活動は、試行錯誤が伴います。最初から完璧に作り上げるのは難しく、失敗を経験することで、児童は忍耐力を身につけ、逆境に立ち向かう力(リジリエンス)を育てることができます。
- 環境意識:ダンボールはリサイクル可能な素材で、それを使用することで児童は環境保護の重要性を学びます。これは、社会全体に対する配慮というより大きな視点での思いやりを育むことにつながります。
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